カスタムハイブリッド軸受が電気自動車の根本的な問題を解決

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    2019 5月 17, 16:00 CEST

    EVおよびHEVパワートレインで使用されている高速電気モーターには、カスタム軸受を使用する必要があります。 セラミックボール軸受は、あらゆる特定条件に最もよく対処することができます、とSKF EV & HEVコンピテンスセンターのマネージャーAnthony Simoninが述べています。

    2019年5月17日、スウェーデン、ヨーテボリ: 従来の自動車と、電気およびハイブリット自動車(EVおよびHEV)間の見掛けはほとんど大差はありませんが、内燃機関による駆動は置き換わりつつあります。

    しかしながら、最も根本的な変更はドライブトレインに起きています。 ここで強力な電力を供給するための電気モーターの仕様や搭載方法に合わせ、軸受のような重要なコンポーネントを新しい環境に向けて再設計または適応させる必要があります。

    例えば、モーター自体を従来の産業アプリケーションにおける速度より超高速で運転する必要があり、内部にある軸受は不具合を起こさずに対応しなければなりません。 一般的に、従来のスチール製軸受を保持器の再設計や特殊潤滑グリースの使用などにより、適応させることで解決されています。

    一般的なEVには、最大4つのモーターが使用されています(それぞれが車輪に接続されている場合)。 一般的な産業モーターの速度と比較し、約3倍の最大30,000rpmで回転します。 これにより内部の軸受に巨大な負担がかかるため、軸受を交換または適応させる必要があります。

    一つには、軸受および脂製保持器を再設計し、基礎設計を適応させる方法があります。 これにより、このアプリケーションにおける高速回転、加速度および温度に対する軸受構成全体の耐性を確保することができます。

    さらに、高速運転ではより効率の良い潤滑が必要になります。 ここでは、潤滑剤には粘度を維持し、高速および高温で効果を発揮し続ける特殊グリースが必要です。

    電気モーターとインバータの併用で高効率を確保する一方で、従来のスチール軸受に影響を及ぼす特徴が一つあります。 インバーターの高周波電圧スイッチングは、リーク電流を起こします。 最終的には電流が軸受を通して流れます。 これは表面にピッチングなどの問題を起こし、その後致命的な不具合をもたらす可能性があります。

    ある意味、最も効率的な方法でモーターを回転させることにより問題が起こります。 電流またはトルクを上げずに、モーターの速度を上げることで出力と効率が増大します。 しかしながら、速度を上げると電圧周波数も上昇し、放電が起こります。

    解決策は、もともと絶縁性があり電流を流さない玉軸受を使用することです。

    セラミック製ボール
    従来のスチール製ボールを同等のセラミックへ切り替え、いわゆるハイブリッド軸受にすることは、この問題を解決する方法として広く認められています。セラミックボールはもともと絶縁性があるからです。 しかしながら、主にコスト高ということから、ハイブリッド軸受を設計に組み入れるEV設計者はごく一部だけです。

    SKFでは、このアプリケーションにおけるハイブリット軸受はわずか5パーセントだけと推定しています。 多くの場合、ハイブリッド軸受はスチール製軸受が早期損傷したことで指定されています。 最初からハイブリッド軸受を指定するEV設計者はほとんどいませんが、この傾向に変化が起き始めています。

    最初から設計者がハイブリッド軸受を設計に入れない主な理由は、追加費用の正当性を証明することができないからです。 一般的に、従来型軸受の不具合を予測することができないため、故障するまで運転する方を選びます。

    一方で、一部の大手EVメーカーは、このアプリケーションにおいて軸受が受けた状態の正確なモデルを行う、高度なシミュレーションソフトウェアを使用しています。 このソフトウェアを使うことにより、リーク電流の量および軸受に与えそうな影響を認識し数量化することが可能です。 財政上意味がある場合、従来のスチール製軸受をハイブリッドに取り換えます。 約5年前は、最初から設計されたハイブリッド軸受はほとんどありませんでした。 現在ではより一般的になり、今後さらに増える見込みです。

    ハイブリッド軸受は従来のスチール製軸受と寸法が同一なので、従来の軸受をハイブリッドに交換することは、通常は苦労なく行えます。 同時に、保持器とグリースへの必要な設計修正は既に行われていることになります。

    絶縁特性に加え、セラミックボールには他にもメリットがあります。 セラミックボールは、同等のスチール製のものよりも40パーセント密度が低く、より低い温度での運転が可能で、平均寿命が最大10倍長く、潤滑の必要性も低減します。 これらのメリットにより、コスト高の説明が多少つきます。

    SKFのハイブリッド軸受の上級ユーザーは自動車産業のお客様で、2014年に初めてSKFのハイブリッド軸受を指定しました。

    ハイブリッド軸受はアーク放電の影響に耐えると同時に、軽量と優れた硬度により効率性を保証します。 総合して、高い効率性はEVが1回の充電でより長距離を走行できるように支援します。これはEVが従来の車と競うための主要な成功基準となっています。

    未来に向けて
    ハイブリッド軸受が高価であるということは、紛れもない事実です。 SKFでは、代替案を検討中で、セラミックボールを使わずに軸受の電気的損傷の問題を解決する方法を開発しています。

    この答えは、電流が軸受自体を通って損傷を与えないように、他の回路を作ることです。 この技術は現在も開発が続けられているため、お伝えできる特定の詳細はまだありません。

    新しい技術を開発する理由が他にもあります。 セラミックボールは多くのメリットがありますが、リーク電流の問題を完全には解決しません。 表面損傷の影響に耐える一方で、電流はギアボックスへ流れる可能性があり、スプライン接続の破壊などの損傷を起こします。 当社は、この問題を解決する今年の年末までに発表される予定の新しい開発に期待しています。この開発はハイブリッド軸受を使用するよりも安価になります。

    SKFは特定の技術に深く関与していませんが、設計上の問題に対する具体的なソリューションを提供します。 現在、当社のハイブリッド軸受はEVにおけるリーク電流の問題を克服することができます。まもなく、新しい技術により低価格で同じことが行えるようになります。

    SKFは、市場のほとんどのEVメーカーに軸受などの製品を提供しています。 そのため、既にこのアプリケーションに対する深い見識と、関連する問題を解決するノウハウを持っています。

    更にこの先に目を向けると、一部のEVメーカーはリーク電流の問題を完全に克服することができるかもしれません。 全システムの設計に関与している一部の大手メーカーでは、供給先と問題について「設計」することが可能です。

    モーターの設計のみを行い、コントロールユニットやギアボックスなどの他のコンポーネントは外部で調達する場合ではこれは困難で、ハイブリッド軸受などのソリューションを使用していく必要があります。

    電気自動車は輸送の未来です。 EVはまだ市場のごく一部を占めるにすぎないとしても、可能な限り効率的かつ信頼性の高いものになっています。 軸受などのコンポーネントの設計を通して、市場で大きなシェアを獲得する支援をしています。

    今年の国際電気自動車シンポジウム(EVS 32)での出展についてのプレスリリース 
    SKF、電気自動車向け先進軸受技術を披露

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    sabine.hergenroder@skf.com

    SKFは軸受ビジネスにおいて、誰もが認めるリーダーであることを使命としています。 SKFは軸受、シール、潤滑、状態監視および保守サービスを含む、回転軸周辺のソリューションを提供します。 SKFは130カ国以上に拠点を配置し、世界中に約17,000の代理店を展開しています。 2018年度の年間売上高は857億1300万スウェーデンクローナ、従業員数は44,428人です。 www.skf.com

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